2007 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ原虫感染における宿主細胞関連因子の網羅的解析
Project/Area Number |
07J00021
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
坂内 天 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 大学院・畜産学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トキソプラズマ / 宿主細胞 / トランスポゾン |
Research Abstract |
トキソプラズマ原虫によって引き起こされるトキソプラズマ症は、世界的な広がりを見せる重要な人獣共通感染症である。原虫の宿主細胞への接着、侵入、寄生胞の形成、増殖といった一連の現象の背景には原虫由来の多様な分子が関連することが明らかにされているが、宿主細胞関連因子についての知見は未だ少ない。本研究では変異細胞を用いることで原虫感染に関与する宿主細胞遺伝子を網羅的に解析し、感染の分子メカニズムの一端を解明するほか、新規薬剤開発につながる標的分子を発見することを目的としている。 トキソプラズマ原虫に感受性を示すチャイニーズハムスター由来CHO-K1細胞の遺伝子にトランスポゾンSleeping Beautyを用いて人工的に変異を導入した。この変異細胞の集団に原虫を接種したところ、コントロールの細胞に比較して長期間生残する細胞が見られたため、そこから限界希釈により36クローンの細胞を得た。個々のクローンに原虫を再接種して原虫の増殖を指標にスクリーニングにかけ、最終的に5クローンを原虫感染抵抗性を示すものとしてその後の解析に使用することとした。 5種類の細胞クローンはサザンブロット法によりそれぞれ異なる変異箇所を有することが明らかになった。スプリンケレッテPCR法によりゲノム上の変異箇所のDNA断片をクローニングし、塩基配列を特定した。今後その情報をもとにRNAi法などの手法を用いて原因遺伝子の確認を行い、その機能の詳細を解明する予定である。
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Research Products
(4 results)