2008 Fiscal Year Annual Research Report
健康・環境影響評価のための環境ナノ微粒子の粒別分析評価法の開発
Project/Area Number |
07J00024
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 健一郎 Tokyo University of Science, 薬学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | ナノ粒子 / 健康影響 / マイクロビームアナリシス / ナノマテリアル / 原子間力顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 飛行時間型二次イオン質量分析法 / 環境分析 |
Research Abstract |
平成20年度特別研究員奨励費研究計画書に記載したとおり、細胞とナノ粒子との相互作用に関する情報を取得するため、ナノ粒子計測並びにナノバイオ分析の評価手法の開発を目的とした。実際、ドイツのHelmholtz Zentrum Munchenの統括リーダーであるStefan博士と、オーストリアのLinz大学の助教授であるPeter博士と共同で、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いた分析評価手法の技術体系構築を推進した。その結果、従来電子顕微鏡で困難であった数ナノメートル領域の詳細な粒子分析ができるようになった。具体的には10nm以下の酸化チタン粒子がメディウム環境中に多量に存在することを発見し、生体影響をより的確に解析ができる可能性が開かれた。さらに、本法は真空系に導入する必要がないため、タンパク質や糖質で非意図的に化学修飾された粒子表面の計測・評価もできる。つまり、今後ナノ粒子を用いたドラッグデリバリーなどの的確な分析・評価ができる。さらに、細胞表面のナノ粒子の相互作用を解析するため、AFMの短針を機能化した細胞表面分析手法を開発しつつある。詳細については割愛するが、これらのナノバイオ分析の基盤技術が確立されれば、未だ解明されていない疾病やその解明に向けた細胞影響を更に詳細に解析できる可能性がある。以上の観点から、本研究で更に進展したAFMを用いたナノバイオ分析の技術は、今後益々重要な分析評価技術の一つと成り得る。
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Research Products
(5 results)