2007 Fiscal Year Annual Research Report
Epstein-Barrウイルス蛋白質によるp53の不活化機構の解析
Project/Area Number |
07J00030
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 好隆 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Epstein-Barr virus / p53 / BZLF1 protein / 溶解感染 / 分解 / ATM-DNA damage response |
Research Abstract |
Epstein-Barrウイルス(EBV)の溶解感染を誘導した宿主細胞では、宿主DNA損傷応答シグナルが活性化されるが、このシグナルはp53の下流には伝達されない。このとき、p53とBZLF1はEBV溶解感染細胞内で相互作用することから、BZLF1蛋白質がp53から下流の伝達を抑制する役割を担っていることが考えられる。本研究では、この分子メカニズムの解明を目的とし研究を進めた。Hl9年度は溶解感染誘導時に細胞内でどのような現象が起きているのかについて報告する。 Tet-BZLF1/B95-8細胞にDoxycyclineを添加し、BZLF1蛋白質を強制発現させ溶解感染を誘導すると、時間経過とともにp53のSer15は、宿主DNA損傷応答シグナルを受けリン酸化された。この状態では、p53の府の制御因子MDM2の制御下からはずれ、p53は安定化するはずであるが、p53蛋白質自体は徐々に減少していた。このp53の減少は、プロテアソーム阻害剤MG132の添加により回復したため、溶解感染を誘導するとp53はユビキチン化されプロテアソーム依存的に分解される事が示唆された。さらにp53の減少というのは、BZLF1蛋白質の単独発現でも観察されたことから、BZLF1蛋白質がp53の分解に深く関与している事が分かった。 また、BZLF1蛋白質とp53の関係をより理解するため、両者の相互作用部位の同定を行った。p53の様々なdeletion mutantsを発現させるプラスミドを構築し、細胞にBZLF1蛋白質発現プラスミドと共にトランスフェクトし、抗p53抗体で免疫沈降させることで相互作用部位をマッピングしたところ、他のグループがin vitroの実験で示していたp53のC末端(Zhang, et. al.MCB 1994)ではなく、p53のDNA結合ドメインのN末端側(100-200 a.a.)で結合している事が明らかとなった。
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Research Products
(7 results)