2007 Fiscal Year Annual Research Report
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07J00049
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
中島 篤 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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| Keywords | イオン交換樹脂 / イオン交換 / 有機電解合成 / 無機塩 / 環境調和型有機合成 |
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| Research Abstract |
これまでの研究において、コストやアトムエコノミーの観点から最も理想的な支持塩である無機塩とカチオン交換樹脂(固体酸)を用いる環境調和型電解酸化反応システムの開発に成功している。この研究では、無機塩とカチオン交換樹脂とのカチオン交換反応を利用することで無機塩の有機溶媒中での解離が促進されることを明らかにしており、本システムを用いて種々の有機化合物の電解酸化反応が行えることを見出している。しかしながら、このシステムでは、無機塩とカチオン交換樹脂とのカチオン交換反応により生じたプロトン(H^+)が電荷のキャリアーとして機能する一方で優先的に還元を受けるため、有機化合物の電解還元反応を行うことは困難であった。そこで本研究では、無機塩とアニオン交換樹脂とのアニオン交換反応を利用することで新規電解還元反応システムを構築することを目的とした。
本システムではカリウム塩とアニオン交換樹脂(末端構造:-NMe_3OH)とのアニオン交換反応により生じたイオン種(K^+,OH^-)が電荷のキャリアーとして機能することで還元側の電位窓が広がり電解還元反応を行うことが可能となった。そこで、本システムを用いてアセトフェノンの電解還元二量化反応等の種々の電解還元反応について検討を行ったところ、いずれも良好な収率で反応が進行することが明らかとなった。
以上、無機塩とアニオン交換樹脂とのアニオン交換反応に基づく新規電解還元反応システムの開発に成功した。これによりコストやアトムエコノミーの観点から最も理想的な支持塩である無機塩を用いて有機化合物の電解還元反応を行うことが可能となったことから、有機電解合成がより環境調和型有機合成法としてより注目を集めることが期待される。
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