2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規キラル化合物群の創製を目指した触媒的不斉付加環化反応の開発
Project/Area Number |
07J00072
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土釜 恭直 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イリジウム / 炭素-水素結合活性化 / 環化反応 / アルキン / ベンゾフルベン / ベンゾフラン / インドール |
Research Abstract |
報告者は既に、カチオン性イリジウム錯体とBINAPから調製される触媒が、アリールケトンのアルキンによるオルト位アルケニル化反応に対して高い活性を示すことを明らかにした。さらなる検討の結果、カチオン性イリジウム錯体の対アニオンとしてトリフラートを適用すると、オルト位アルケニル化-環化-脱水が連続的に進行し、ベンゾフルベン誘導体が得られることを見出した。この結果から、カチオン性イリジウム錯体はルイス酸触媒能を併せ持つ「二機能性触媒」として機能するものと推察された。 次に、カチオン性イリジウム触媒の二機能性を活用すれば、カルボニル基を有する側鎖を適切な位置に導入したアリールケトンを基質として用いた場合に、C-H結合活性化、引き続く側鎖上のカルボニル基への付加という連続反応が進行し得ると考えた。そこで、カルボニル基を有する側鎖がメタ位に置換したアセトフェノン誘導体を合成し、検討を行った。その結果、側鎖を酸素原子で架橋した基質を用いると、望みの環化反応、引き続く脱水反応が進行し、対応する4-アセチルベンゾフラン誘導体を位置選択的に与えることがわかった。また、さらなる基質検討の結果、側鎖を窒素原子で架橋したアセトフェノンを用いることで、窒素原子上の保護基を必要としない4-アセチルインドール誘導体の合成も達成した。 さらに、基質としてアルキンとアリールアミドを用いると、アミドの窒素原子に隣接するsp^3 C-H結合のアルケニル化が進行し、多置換アリルアミド体が良好な収率で得られることを見出した。本反応は種々のアミド化合物やアルキンにも適用可能であり、概ね良好な収率で対応する付加体を与えた。
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Research Products
(7 results)