2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン受容体のN末端ドメイン結合型コアクチベーターの作用機構の解明
Project/Area Number |
07J00084
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 直樹 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | アンドロゲン受容体 / GAPDH / RanBP10 / 核内受容体 / 転写 / レスベラトロール |
Research Abstract |
アンドロゲン受容体(AR)は、リガンドであるジヒドロテストステロンと結合して転写因子として機能することで、前立腺がんの進行に深く関与する。コアクチベーターは、ARに結合してARの転写活性化能を正に制御する因子である。本研究では、解糖系酵素として知られるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)が、ARに選択性の高いコアクチベーターとして機能することを見出した。さらに、GAPDH-AR複合体が細胞質で形成されることが、GAPDHによるAR転写活性促進につながることを明らかにした。 ARのコアクチベーターとして作用するRanBPM/RanBP9のホモログであるRanBP10が、ARを発現する前立腺がん細胞株LNCaP細胞において高く発現し、RanBPMと同様にARの転写活性を促進することを明らかにした。RanBP10はホモダイマーあるいはRanBPMとヘテロダイマーを形成していたことから、多量体を形成してコアクチベーターとして機能することが示唆された。 ブドウの果皮に含まれるレスベラトロールは、ARの転写活性を抑制する作用を持つため、食による前立腺がんの予防に貢献する食因子として注目されている。レスベラトロールはARのmRNA発現を抑制することでAR機能を抑制すると考えられていた。今回、翻訳後ARに及ぼすレスベラトロールの影響を検討した結果、レスベラトロールはARタンパク質の半減期を短縮させることや、核内AR量を有意に減少させる作用を持つことを新たに見出した。
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Research Products
(12 results)