2009 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀スペイン文学における感覚論の受容(ホセ・デ・カダルソの作品を中心に)
Project/Area Number |
07J00128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 広樹 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スペイン / 18世紀 / 感覚論 / ホセ・デ・カダルソ / 啓蒙主義 / ジョン・ロック / コンディヤック / 科学哲学 |
Research Abstract |
平成21年度は、カダルソが精力的に創作活動にいそしんだ1770年代前後の他の作家による文字テクストとの比較を行う計画に基づき、以下の研究を行った。 平成21年度は研究対象となるカダルソの作品と、同時代に創作活動に勤しんだそのほかの作家(ホベジャーノス、ニコラス・フェルナンデス・デ・モラティン、イグナシオ・ロペス・デ・アヤラほか)による作品との比較検討を行った。平成19年度ならびに20年度より考察してきた、18世紀スペインにおける新しい思想がカダルソのみならず複数の作家に共有されていることを検証する上で大いに収穫があった。 国内ではカダルソの戯曲『ソラーヤ、あるいはチェルケス人』について、またカダルソと同時代の作家による作品との比較について、それぞれ論文を発表した。前者においては同時代の演劇における『ソラーヤ』という作品の特異性を、後者では複数の戯曲作品における思想的共通性を演劇作品における記号性として指摘した。 国外では平成22年2月より3月にかけてスペインへ渡航し、マドリードの国立図書館で資料の収集を行なった。また、近年刊行された18世紀スペインについての研究ならびに同時代の文学テクストについて、入手できるものに関しては滞在期間を利用してその収集にあたった。
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Research Products
(4 results)