2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクログリアによるアポトーシス細胞の認識と貪食機構
Project/Area Number |
07J00144
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中原 匡咲 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクログリア / アポトーシス / 貪食 |
Research Abstract |
脳は多くの細胞死が観察される場所であり、発生初期の形態形成からニューロンのネットワーク形成時に至るまで、様々な時期や領域で大量の細胞死が起こっている。マイクログリアはこれらの死細胞を速やかに貪食することで、脳組織の形成,構築を助けている。しかしながら、どのような分子を介してマイクログリアがアポトーシス細胞を認識するかについては未だ不明な点が多い。そこで本研究では、マイクログリアによるアポトーシス細胞の認識分子を同定し、その作用機構および生理的役割を明らかにすることを目的とした。まず、マウス新生仔マイクログリアの貪食能をFACSにより定量的に評価する系を樹立した。次にマウス新生仔マイクログリアを抗原としてハムスターを免疫し、マイクログリア表面タンパク質に対するモノクローナル抗体を作成した。作成した抗体をそれぞれ樹立した貧食の系に加え、アポトーシス細胞の貪食に影響がでる抗体をFACSによりスクリーニングした。貪食に影響を及ぼす抗体は複数個得られ、それぞれの抗体によって認識されるタンパク質を精製しMASS解析にて同定したところ、補体受容体やインテグリンファミリー,スカベンジャーレセプターファミリーの分子であることがわかった。これらの抗体を組み合わせてマイクログリアの貪食系に加えたところ、貪食能は30%まで下がったことから、今回のスクリーニングでマイクログリアの貪食能に関わる分子の多くを同定することができたと考えられた。
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Research Products
(1 results)