2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂口 潤 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 維管束形成 / 細胞分化 / 形態形成 / 横走維管束 / 縦走維管束 / 分化起点 / 葉脈 / 側根形成 |
Research Abstract |
イネは平行脈を基本とする一次元的な葉脈パターンを持ち・その展開は主に基部領域での細胞分裂の際に決定されるため・展開中の葉の基部領域を用いることで時間的・空間的な連続性を維持した状態での観察が可能であることから・本研究ではより単純な葉脈パターンを持つイネを用いることで維管束パターン形成の制御機構に迫るものである。 イネの葉脈パターン形成の変異体探索から我々は平行脈を結ぶ連絡脈として形成される横走維管束の過剰形成を示すcommissural vein excessive1(coe1)変異体を単離し、解析を進めてきた。coe1は横走維管束の形成間隔の低下と横走維管束自体の過剰形成を示し、その原因遺伝子がLRR-RLKをコードすることを確認し、全部で3つのアリルを得ている。COE1はイネではユニークな遺伝子であるが、相同性検索からシロイヌナズナ中に5つホモログが見出された。これらの発現解析では葉脈および根の維管束での発現が観察された。最も相同性の高いAtCOE1、AtCOE2のKO変異体では根の伸長が野生型と比較して低下する一方、側根形成数の増進という表現型を見出した。しかし残り3つのホモログではこの表現型を示すものはなかった。特にAtCOE2の発現解析では側根の形成された領域において強い発現が観察された。このことからCOE遺伝子ファミリーは新たな維管束形成時における側方抑制機構を担う受容体であると考えており、本研究は植物のパターン形成における制御機構を紐解く上での重要な突破口となると考えている。
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Research Products
(2 results)