2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00185
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小谷 透 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 虚血再灌流(I / R) / 一酸化窒素(NO) / パプシン / 虚血性腸炎 |
Research Abstract |
マウス虚血再灌流(I/R)誘起胃損傷の発生において内因性一酸化窒素(NO)は二面性を示し、恒常型NO合成酵素(NOS)由来のNOは保護的に、一方I/R処置により誘導された誘導型NOS由来のNOは傷害的に作用することを証明した(Digestion,75,188-197,2007)。 また、I/R胃損傷の発生には胃酸の存在が重要であることは既に知られていたが、ペプシンの関与については明らかとなっていなかった。本年度の研究により、I/R誘起胃損傷の発生においてペプシンが重要であることを証明し、I/R時に観察されるペプシン分泌の増大は酸の逆拡散に起因し、主としてコリン作動性経路を介することを明らかにした(Life Science,80,1984-1992,2007)。 本研究結果は胃粘膜防御を考える上で貴重な情報を提供するものと思われる。 虚血性腸炎は致死率が高く、敗血症や腹膜炎のリスクを上昇させることが知られている。しかし、有用な虚血性腸炎動物モデルは未だ存在していない。本研究者が考案した虚血性腸炎動物モデルにおいて、抗生物質の投与は虚血性腸炎の発生を有意に抑制することを確認した。臨床において虚血性腸炎に処方される薬剤として抗生物質が挙げられ、このことからも本モデルは虚血性腸炎動物モデルとして有用であることが示唆される。
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Research Products
(9 results)