2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00185
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小谷 透 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 虚血再灌流(I / R) / トロンボキサンA_2(TXA_2) / システイニルロイコトリエン(CysLT) / 虚血性腸炎 / プロスタグランジン(PG) / 一酸化窒素(NO) |
Research Abstract |
(1)トロンボキサンA_2(TXA_2)はI/R時における胃粘膜に対して傷害的に作用することが判明した。また以前、I/R胃損傷の発生に対してシクロオキシゲナーゼ(COX)-2由来のプロスタグランジンI_2(PGI_2)が保護的に働くことを証明したが、その詳細な機序は不明であった。しかし、今回の研究によりCOX-2阻害薬の処置によるI/R誘起胃粘膜障害の悪化にはTXA_2/PGI_2バランスの破綻が起因することが明らかになった。本研究は今後、論文投稿する予定である。 (2)マウスI/R誘起胃損傷の発生においてシステイニルロイコトリエン(CysLTs)が重要な役割を担っていることを明らかにした。また、非ステロイド系抗炎症薬の処置によるI/R誘起胃粘膜障害の悪化には胃粘膜CysLT産生の増大に起因していることが明らかとなった。本研究は今後、論文投稿する予定である。 本研究結果は胃粘膜防御を考える上で貴重な情報を提供するものと思われる。 (3)ラット虚血性腸炎の発生においてCOX-2由来のPGE_2は保護的な役割を担っていることが判明した。またPGE_2はEP4受容体を介して保護作用を示すことが明らかとなった。 (4)ラット虚血性腸炎の発生に対して誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)由来の一酸化窒素(NO)が傷害的に作用することが判明した。さらに、腸内細菌の腸管粘膜の浸潤がiNOS発現の誘導を引き起こしていることが推察された。 本研究結果は虚血性腸炎の発生機序を考える上で有用なデータとなりうると思われる。
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Research Products
(10 results)