2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00189
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 茂夫 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 工業地帯 / 地方計画 / 広域圏計画 / 都市計画史 / 阪神 / 日立 |
Research Abstract |
近代日本の工業地帯形成に関わる都市計画の実態について理解するために、都市計画協議会、都市問題会議など主要な都市計画に関する会議等の史料を収集した。また戦前の都市計画に関する「都市公論」「都市問題」等の雑誌を精査し、戦前の広域圏計画の策定状況について調査した。また阪神工業地帯については尼崎市の市議会録を閲覧するとともに、都市計画関係の資料を収集した。また大阪については雑誌「大大阪」の広域圏計画に関する資料をすべて収集し、その実態について把握した。近畿地方計画試案などさまざまな計画案が策定されており、近畿圏の都市計画技術者の交流がその後の都市形成に大きな影響を及ぼしていたと推定されるさまざまな事実を発見した。その一方で、京浜工業地帯の中核都市である川崎市の議会録関係資料や北九州工業地帯の5都市の都市計画に関する資料を収集した。 また、戦前の広域圏都市計画は、占領下の都市計画の影響も受けているため、その比較検討をおこなう素材として北京市の都市計画史について調査し、報告した。 また戦前の工業化にともなう都市形成について、工業地帯と比較分析する対象として、日立市の社宅街の形成史、茨城県真壁町の地場産業の近代化や牛久市の葡萄酒醸造場の建設による市街地の変化等についても調査し、その成果の一部を学術論文として公刊した。なかでも日立市では国土計画的な視点から実施された新興工業都市計面事業などにより、日立製作所の巨大工場が旧市街の外縁部に立地してゆくにつれて社宅街もその周囲に立地するようになり、「日立製作所工業地帯」ともいうべき特有の市街地空間が創出していたことを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)