2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00189
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 茂夫 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大都市圏計画 / 都市計画史 / 地方計画 / 新興工業都市計画 / 近畿圏 / 日立 / 近代 |
Research Abstract |
近代日本における工業地帯化は、京浜、中京、阪神、北九州の四大工業地帯を中心に展開された。四大工業地帯では、1930年代に大都市圏のコントロールが大きな課題となり、それぞれ地方計画が策定された。地方計画について当時の都市計画関係の雑誌や、都市計画に関する会議に関する史資料を収集した。特に、近畿地方計画については、国際会議において研究発表を行った。京浜、中京、阪神、北九州における主要都市である川崎、四日市、尼崎、八幡に関しては重点的に都市計画関係の史資料の収集・整理も同時に行っており、今後、それぞれを比較検討しながら研究発表を行う予定である。 一方で、大都市圏の周辺農村や地方において新興工業都市計画が策定されるようになった。これは四大工業地帯を中心とする工業の地方分散化を目指したものであり、地方において誕生する工業地域の原型となった。新興工業都市23地区に関する都市計画関係資料を収集した。新興工業都市の計画は、内務省の指導要領にもとづいて策定されており、画一的な計画標準に準拠して均質な都市空間が生み出されることになったと推定され、その点について研究会等において指摘した。 また、日本製鐵株式会社の立地する広畑、日立製作所の立地する多賀についてはそれぞれ当該地区において市町村域を越える広汎な工業化が展開されており、特に注目すべき対象として詳細な調査を行った。日立周辺の工業化については、既存の企業城下町の研究成果とあわせて著書を刊行した。広畑については、旧日本製鐵株式会社による工業開発の事例として、釜石、八幡の都市建設の状況と比較しながら検討を行った。
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Research Products
(8 results)