2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00192
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大石 康智 Nagoya University, 情報科学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 音楽情報処理 / 歌声 / 基本周波数(F0)軌跡 / ハミング検索 / 歌声合成 / F0制御モデル / 微分方程式 / アトラクタ |
Research Abstract |
[具体的内容] ・歌声のメロディを表す基本周波数(F0)軌跡は,歌唱者が歌おうとする音高列(譜面情報)に,様々な動的な変動(ビブラートやオーバーシュートのような歌唱者のスタイルや個性を表す成分,非譜面情報)が複雑に畳みこまれた状態で観測される.これらの情報を特徴付け,歌唱者ごとの歌唱スタイルを予測・説明する2つの信号モデルを構築した. 1.歌唱スタイルが相平面上のアトラクタにより特徴付けられると考え,動的システムとして歌声のF0軌跡をモデル化した,アトラクタを確率分布で表現することでF0軌跡に含まれる譜面情報を抽出し,歌声による楽曲検索に応用した.揺れを含む歌声(表現豊かな歌声,下手な歌声)に対してロバストな検索性能を実現した. 2.譜面情報を表す階段状の信号に,非譜面情報を表す2次系制御モデルによるインパルス応答を畳み込むことによって,歌声のF0軌跡が生成されると想定し,この階段状の信号と制御モデルのパラメータを,F0軌跡から推定する手法を考案した.制御モデルのパラメータを利用した,より自然な歌声合成の実現が可能である.・各手法の評価のために,プロのポップス歌手,オペラ歌手,素人による歌声データベースを構築した. [意義,重要性] 演奏行動信号(当該年度は歌声のF0軌跡)に含まれる譜面情報と非譜面情報(個性)を適切に分離・同定する技術は確立されていない,これは,従来の検索・合成技術の高品質化,また個性に着目した様々な応用(例えば,歌唱力評価など)に対して重要な技術である.また人間の演奏行動を理解するためにも重要な研究領域であると考えられる.
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Research Products
(7 results)