2009 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアナノファイバーの構造制御による低熱膨張性透明ナノコンポジットの製造
Project/Area Number |
07J00215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
能木 雅也 Osaka University, 産業科学研究所, 助教
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Keywords | セルロースナノファイバー / 透明材料 / エレクトロニクスデバイス / キチンナノファイバー |
Research Abstract |
これまで私たちは、酢酸菌が産出するバクテリアセルロースナノファイバーを用い、ガラス並みに低熱膨張で、プラスチックのようにフレキシブルな繊維補強透明材料の開発を行ってきた。これらの研究成果は、セルロースナノファイバー材料という新しい研究分野を切り開き、世界中の数多くの研究者がこの分野の研究を推進している。 本年度は、昨年度に開発したセルロースナノファイバーを高密度に充填した透明ナノファイバーシート(Advanced Materials 2009)の利用技術を開発した。この材料は従来の紙と同じ原料、同じ製造技術で作製しているため、連続的なロールトゥーロールプロセスによる電子デバイス製造に適しており、資源浪費・高環境負荷が懸念されている従来の金属配線形成技術(エッチング処理など)の代替技術と期待されるプリント技術による配線形成技術へのキーマテリアルとして期待される。そこで、透明樹脂コーティングという簡単な印刷技術によりセルロースナノファイバーシートの透明化技術を開発した。この材料は、従来のセルロースナノファイバー補強透明材料と比較し、より幅広い透明樹脂の使用が可能であり、従来の材料と同じように「ガラス並みの低熱膨張性」が確保されることを示した。これらの知見により、セルロースナノファイバーシートを基板としたプリンテッドエレクトロニクス技術による電子デバイス作製への道筋が見えた。 昨年度開発したカニ・エビなどの甲殻類外皮からのキチンナノファイバー製造技術を用いて、低熱膨張性透明材料の開発、ならびにセルロースナノファイバーと比較し、キチンナノファイバーの優れた材料特性も明らかにした。さらに、酢酸菌が産出するバクテリアセルロースナノファイバー、木材から製造したセルロースナノファイバー、エビから製造したキチンナノファイバーの3種類のバイオナノファイバーを用い、導電性付与を目的としてバイオナノファイバーの炭化処理技術の開発も行った。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
能木雅也、矢野浩之
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Journal Title
製品高付加価値化のためのエレクトロニクス材料バイオナノファイバーから作る透明ナノマテリアル(シーエムシー出版)
Pages: 229-242
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