2008 Fiscal Year Annual Research Report
AML1点突然変異とMDSの発症及び白血病への移行メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J00225
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大河内 直子 (渡辺 直子) The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Keywords | MDS / AML1 / Evi1 / integration site / BMTモデルマウス |
Research Abstract |
本研究では、MDS/AMLの患者由来のAML1 mutantsが単独で造血異常を起こし得るのか、AMLを発症するには2nd hitが必要なのか、もしそうならばその2nd hitの候補遺伝子は何か、を明らかにするために、レトロウイルスを用いた強制発現系移植モデルで実験を行なった。AML1変異型を導入した細胞の移植マウスは、8-13ヵ月で血球形態に異常を示し、臓器浸潤によって死亡した。骨髄中のblastの割合は20%を超えていることから、MDS/AMLと診断した。一部のマウスではblastが20%を超えなかったため、MDSと診断した。MDS/AMLを発症したマウスのintegration siteを検索したところ、Runt homology domainにmutationのあるtype(D171N)では、EVI1とMDS1の間にintegrationが認められ、Evi1の発現上昇が確認された。また、truncation typeのmutant(S291fsX300)では、MN1のintronに挿入が認められ、やはり、MN1の発現上昇が確かめられた。AML1-D171NとEvi1をco-transfectionした移植実験を行なった結果、AML1-D171N単独よりも早期にマウスはMDS/AMLを発症した。その際のクローナリティをサザンブロットにて確認したところ、ポリクローナルであった。このことから、AML1-D171NとEvi1は協調的に働いて、MDS/AMLを誘発することが確認された。また、Evi1単独の移植群においても発症率100%でMDS/AMLを発症した。発症には6ヵ月以上を必要としており、特定のクローンが立ち上がっていることが予測される。この結果は過去の報告とは異なるため、第70回血液学会にて報告した。
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Research Products
(2 results)