2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー冷却と軌道制御による3次元結晶化ビームの生成
Project/Area Number |
07J00249
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
想田 光 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | イオン蓄積リング / ビーム冷却 / レーザー冷却 / 結晶化ビーム / 運動量分散 / COD補正 |
Research Abstract |
京都大学化学研究所の小型重イオン蓄積リングS-LSRにおいて、<24>^Mg^+ビームの軌道補正機構を構築した。既存のビーム位置モニター6台、偏向磁石の補正電流による水平方向の軌道補正装置6台に加え、新たに本研究費にて直流電源6台とその制御機構を整備し、鉛直方向のビーム位置補正装置を完成させた。この補正装置を用いて、それまで最大2mm程度発生していた鉛直方向のビーム軌道誤差を0.5mm以下に補正することに成功し、ビームの安定な周回、レーザー冷却のための位置調整に大きく貢献した。 本年度はS-LSRを共同で利用する1次元レーザー冷却の実験を重点的に行ったため軌道制御についての実験時間が十分に確保できず、まだ運動量分散の制御を行うには至っていないが、本年度に予定していた新規設備の試験と基礎的なデータの収集は十分に行えた。ビームの寿命が予想以上に短くなったため、ビーム軌道以外に入射軌道の制御パラメータも同精度で制御する必要があることもわかった。以上の知見を踏まえ、運動量分散の制御については来年度早々に実験時間を確保し、実証実験を行う予定である。 また、レーザー冷却の実験を行っていた間、ビーム位置以外にも加速空洞による進行方向の振動についても新たな知見が得られ、新たに直径35mmの小型加速空洞を設計・製作してS-LSRに導入した。この小型加速空洞を用いたビーム位置測定、ビーム位置調整も行っており、本研究のみならずレーザー冷却・S-LSRの研究の集大成となる来年度の実験に向けて、装置、制御機構などの準備を様々な面で大きく進めることができた。
|
Research Products
(6 results)