2007 Fiscal Year Annual Research Report
近現代フランスにおける民主主義と宗教-ライシテ(非宗教性)の歴史社会学
Project/Area Number |
07J00272
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
伊達 聖伸 (手戸 聖伸) Chuo University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ライシテ / 道徳 / 政教分離 / 市民宗教 / 宗教学 / 歴史社会学 / フランス |
Research Abstract |
本年度の重点的な課題としては、ライシテの歴史を現代まで辿り、現在の研究動向を整理することを特に拳げていた。このことについては、論文「ライシテは市民宗教か」において、フラシス革命期、第三共和政初期、現代という三つの時期を取り上げてそれぞれの時期の課題について検討し、また、さまざまな研究者たちの立場を提示することによって、予定通りの成果をあげることができた。 一方、ライシテと宗教の関係を批判的に問い直す歴史的研究としては、何よりもフランス語でPhD論文を完成させ、審査を経て学位を取得することができた。また、9月に行なわれた日本宗教学会では、19世紀から20世紀の転換点にかけて政治の舞台に登場したいわゆる「知識人」が、いかなる「宗教性」を構築したのかを、「知識人宗教の諸問題」というパネル発表で、問題提起的な発表を行なうことができた。 それから、現代のライシテの動向の紹介としては、内相時代からライシテと宗教の問題に積極的にかかわってきたニコラ・サルコジの宗教政策について、まとめることができた(「ニコラ・サルコジの宗教政策、あるいはライシテの行方」)。 [研究実施計画」に記載していた「宗教的事実の教育の実態解明」については、大正大学の「宗教教科書」翻訳プロジェクト(代表:藤原聖子准教授)に沿って、進行中である。 ほかにも進行中のものとしては、受け入れ研究者の三浦信孝教授との共訳で、ライシテ研究の第一人者ジャン・ボベロ氏の著作を出す予定がある。また、死生学の領域においては、グレニス・ホワース氏の論文を翻訳し、オーギュスト・コントの死者崇拝についてまとめている。
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Research Products
(6 results)