2007 Fiscal Year Annual Research Report
〈広告制作者〉の歴史社会学:近現代日本におけるメディア論的主体形成に関する研究
Project/Area Number |
07J00292
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加島 卓 The University of Tokyo, 大学院・学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 広告制作者 / 歴史社会学 / メディア論 / メディア史 / 言説史 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は、近現代日本において〈広告制作者〉という職業カテゴリーが、どのようにして〈感性・センス〉といった言説と手を取り結んできたのかを、メディア論的な主体形成の問題として、歴史学的に調査し、その変遷が何を意味するのかを社会学的に分析することを目的にしている。具体的には、歴史学的な関心勘ら一次資料のの発掘・調査・整埋を行うメディア史的な研究、社会学的な関心から二次資料の収集・分析を行う言説史的研究、そしてメディア論的な関心から主体形成をめぐる分析を行う理論的な研究の三つから、本研究は構成される。 平成19年度は、メディア史的な研究と言説史的な研究に焦点を絞って、研究活動を行った。メディア史的な研究においては、日記の分析と学習環境の分析を中心に行った。日記の分析では、一次資料そのものが京都にあるため、複数回に分けて、東京から発掘調査に行った、また日記以外にも大量の草稿、制作物や蔵書など大変貴重な資料が残されていたので、それらの閲覧と複写を進めた。さらにそれらを記録・整理するために、資料のデジタル化なども行った。 学習環境の分析では、〈広告制作者〉の作業空間を歴史的に把握するために、1930年代から1940年代にかけての技術指導書などを中心に調査を行った。そして、当時における〈広告制作者〉の知の在り方がいかなるものであったのかを分析し、部分的にその成果の発表を行い始めた。 言説史的な研究においては、二次資料としての出版物に加え、現在では僅かにしか保存されていないサブカルチャー的な出版物のバックナンバーなどを中心に調査を行った。今年度はこれらめ資料を総合的に収集・分類・整理し、分析を行った上で、成果の発表を行っていく予定である。
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Research Products
(10 results)