2008 Fiscal Year Annual Research Report
<広告制作者>の歴史社会学:近現代日本におけるメディア論的主体形成に関する研究
Project/Area Number |
07J00292
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加島 卓 The University of Tokyo, 大学院・学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 広告制作者 / 歴史社会学 / メディア論 / メディア史 / 言説史 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は近現代日本において<広告制作者>という職業カテゴリーが、どのようにして<感性・センス>といった言説と手を取り結んできたのかを、メディア論的な主体形成の問題として、歴史学的に調査し、その変遷が何を意味するのかを社会学的に分析することを目的にしている。具体的には、歴史学的な関心から一次資料の発掘・調査・整理を行うメディア史的研究、社会学的な関心から二次資料の収集・分析を行う言説史的な研究、そしてメディア論的な関心から主体形成をめぐる分析を行う理論的な研究の三つから本研究は構成される。 平成20年度は、歴史学的な関心によるメディア史的な研究と、社会学的な関心による言説史的な研究の充実を図りつつ、主体形成をめぐる理論的な研究にまで拡大して、研究活動を行った。 メディア史的な研究においては、日記の分析と学習環境の分析を中心に行った。日記の分析では、昨年度に収集した資料の分析を進め、追加調査を行いつつ、関連の研究会で報告を行った。また学習環境の分析としては、映像化された広告制作者の資料などを中心に収集・分析を行った。 言説史的な研究においては、戦後日本におけるサブカルチャー雑誌と広告制作者の関係を知るために、関連の出版物の収集と分析を行った。 主体形成をめぐる理論的な研究においては、メディア論と社会学に基づきながら<広告制作者>を書き取るための方法として、「言説分析」の理論的な可能性と困難の検討を行った。 これらの成果は、既に学術誌や学会などで発表しており、出版物として公刊する予定である。
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Research Products
(6 results)