2008 Fiscal Year Annual Research Report
高周期典型元素π共役環状化合物の創成及び芳香族性の解明
Project/Area Number |
07J00305
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
五十嵐 正安 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ケイ素 / ジシラシクロプロペン / 不飽和三員 / 芳香族化合物 / X線結晶構造解析 / シレン / σ^*アロマティシティー |
Research Abstract |
シクロプロペンの高周期14族元素類縁体は、大きく歪んだ環骨格と反応活性な二重結合を有していることから、特異な反応性を示す化学種であり精力的に研究されている化合物群である。これまでに骨格原子がケイ素原子2個、炭素原子1個からなるジシラシクロプロペンの合成に成功し、さらにそれを前駆体とする事でケイ素-炭素混合型2π電子系芳香族化合物であるジシラシクロプロペニリウムイオンの合成に成功している。そこで本研究では、ジシラシクロプロペン及びジシラシクロプロペニリウムイオンの反応性について検討した。 ・ジシラシクロプロペンの熱反応 ジシラシクロプロペンをトルエン中で加熱すると、飽和な骨格ケイ素上のシリル基がラジカル的に脱離し、溶媒であるトルエンと反応する事でベンジル置換ジシラシクロプロペンがジ得られる事を見出し、その単離及び構造解析に成功した。また、このベンジル置換ジシラシクロプロペンのメタノールによる捕捉反応ではメタノールがケイ素=炭素二重結合部位にsyn付加している事を明らかにした。 ・ハロゲン置換ジシラシクロプロペンの合成 ジシラシクロプロペニリウムイオンに1当量の^nBu_4N・Brをトルエン中で反応させることにより臭素置換ジシラシクロプロペンの合成に成功した。X-線結晶構造解析の結果ケイ素-臭素結合のσ^*結合とケイ素=炭素二重結合が結合的な相互作用を形成することによりσ^*アロマティシティーが発現していることを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)