2007 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価ヨウ素(III)反応剤を用いる新規結合形成反応の開発とその応用
Project/Area Number |
07J00340
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 功治 Osaka University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超原子価ヨウ素反応剤 / グリーンケミストリー / ヘテロ芳香族化合物 / 炭素-炭素結合形成 / 酸化 / カチオンラジカル中間体 / クロスカップリング / 導電性高分子 |
Research Abstract |
超原子価ヨウ素反応剤は、多様な反応性を示す有機合成上有用な酸化剤の一つとして、近年盛んに研究が行われている。これらは重金属酸化剤と同様の反応性を示し、かつ毒性が低く、取り扱いが容易であることからグリーンケミストリーの観点からも優れている。当研究室では3価の超原子価ヨウ素反応剤を用いる、様々な新規反応の開発研究を継続して行っており、これまでにフェニルエーテル類やアルキルアレーン類のカチオンラジカル中間体に対する種々求核種導入反応を報告している。また昨年度までに我々は、本法を応用しヘテロ芳香族化合物であるチオフェン類、ピロール類への炭素求核種導入に基づく新規炭素-炭素結合形成反応を見出している。 今年度はまず本研究において、ピロール環の構造修飾を行なうことにより、ピロール類の酸化的カップリングにおける、二量化体の位置異性体を完全に作り分けることに成功した。さらに本二量化反応を応用し、反応を二量化体で止めることなく一気に重合させることにより、チオフェン、ピロール類などヘテロ芳香族化合物の導電性高分子の新規合成法を開発した。 また、芳香族化合物のカチオンラジカル中間体を経由する酸化的二量化反応において、基質間の酸化電位や立体的な差をうまく利用することにより、酸化的な手法で直接的に合成することが困難であった、芳香族クロスカップリング体を収率良く得ることに成功した。また溶媒効果を利用し、本反応を高極性で求核性の低いフルオロアルコール溶媒中で行なうことにより、カチオンラジカル中間体を経由する、効果的なジアリールヨードニウム塩の合成法を見出した。
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Research Products
(6 results)