2007 Fiscal Year Annual Research Report
原子論的手法に基づくナノ構造・分子デバイスの量子輸送シミュレーション
Project/Area Number |
07J00363
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三成 英樹 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非平衡グリーン関数法 / 強結合近似法 / デバイスシミュレータ / 歪みシリコン / 化合物半導体 / MOSFET / 結晶面方位 |
Research Abstract |
sp^3s^*法ならびにsp^3d^5s*法による半経験的強結合近似法を導入した非平衡グリーン関数法を用いて2次元のデバイスを扱ったフルバンド量子輸送シミュレータを開発した.開発した2次元フルバンド量子輸送シミュレータシミュレータでは,半経験的強結合近似法において,より詳細なバンド構造を記述できるsp^3d^5s^*法を選択可能とすることにより,シリコン,ゲルマニウム等のIV属半導体だけでなく,InSb等のIII-V属化合物半導体にも対応した.半経験的強結合近似法のパラメータを原子間距離に応じて変化させることにより,歪み構造を持つデバイスを取り扱い可能とした.また,面方位として(100),(110)面,輸送方向として〈100〉,〈110〉方向を設定可能とした.ホールの輸送を扱う場合,スピン軌道相互作用を考慮する必要があるため,半経験的強結合近似法において,同じ原子中の異なるスピンを持つ原子軌道間の相互作用を考慮することにより,スピン軌道相互作用を取り扱い可能とした.開発した2次元フルバンド量子輸送シミュレータは多くの計算時間が必要となるため,計算時間の多くを占める非平衡グリーン関数法での逆行列計算の計算手法を,これまでのLU分解法から再帰グリーン関数法に変更することによりシミュレータの高速化を行った.また,エネルギー空間,波数空間の積分にルジャンドル・ガウス積分を取り入れることにより計算時間の短縮を試みた.
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Research Products
(10 results)