2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
譯田 真人 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アモルファス金属 / 塑性変形 / 分子動力学法 / 有限要素法 |
Research Abstract |
金属ガラスの内部構造と微視的変形機構に着目し,分子動力学モデルを用いて解析すると同時に,金属ガラスの変形を対象とした新たな連続体モデルの構築を行った.分子動力学モデルにより,金属ガラスの内部構造解析を行い,液体からの冷却過程で20面体が相互貫入した中距離秩序クラスター構造が多数形成されること,このクラスターは高い局所弾性定数を持ち,これが多く含まれるモデルほど,巨視的な弾性定数が増加することを明らかにした.また,温度やひずみ速度を変化させた金属ガラスの不均一変形と均一変形モードに対する解析では,温度の上昇により変形モードの遷移が生じること,変形の素過程が数十原子程度の集団で生じることを確認した.このことから,金属ガラスの変形の素過程は,充填の程度の低い領域で生じる構造の再配置であると考えられ,STZと呼ばれる数十原子程度の集団で生じていると考えられる.以上の分子動力学モデルの知見に基づき,変形の素過程を記述した構成関係式を用いて,有限要素法による連続体モデルの構築を行った.このモデルには,密度の低い領域で変形が生じやすいこと,変形により密度の低下が生じ変形抵抗も低下すること,構造緩和により充填の程度の回復が生じること,の金属ガラスの変形で重要な3つのプロセスが定式化されており,これを用いた解析を行うことで,分子動力学モデルでは解析できないような,より大きな時間・空間スケールの現象の解析が可能となる.
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Research Products
(5 results)