2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代エジプトにおける国民統合と市民社会:コプト・キリスト教徒の市民社会組織を事例として
Project/Area Number |
07J00401
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
三代川 寛子 Sophia University, グローバル・スタディーズ研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国際研究者交流 / エジプト / 宗教的マイノリティ / 国民統合 / 市民社会 |
Research Abstract |
平成19年度の研究成果は、主にエジプトでの現地調査によるものであり、以下の3点に集約される。 1、市民社会組織への参与観察 世俗主義を標榜し、コプトに対する差別問題などに関心を持って活動している政治団体あるいは人権団体、知識人の集会などに参加し、エジプト社会におけるイスラーム主義の伸張とそれに付随して発生する諸問題(表現の自由、非ムスリムの位置づけ、エジプトのアイデンティティ問題等)に関する参加者の意見や立場などを調査した。これにより、世俗主義の市民社会組織の活動の詳細が明確となり、文献調査だけでは不明瞭であった点を確認することができた。 2、教会の政治的役割に関する調査 市民社会組織よりも一般のコプトに対して強い影響力を持つコプト正教会の政治的役割について特に1970年代以降に時代を限定して文献調査を行った。それにより、コプト正教会の社会福祉活動および高位の聖職者らによる政治的発言がムスリム・コプト関係の維持に大きな影響力を持っていることが明らかとなった。これに従い、本研究を遂行する上で市民社会組織のみならずコプト正教会の活動も綿密に調査する必要性が明確になった。 3、資料収集 例年カイロにて開催される国際ブックフェアにて、コプト正教会の現総主教シェヌーダIII世および先代キリロスVI世、先々代ユサーブII世についての新聞記事切抜きを50巻購入した。コプト正教会発行の週刊誌「キラーザ」の年毎に製本されたものを1990年分から2004年分まで購入した。
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Research Products
(1 results)