2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ機能性プローブの開発とナノ計測応用
Project/Area Number |
07J00418
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 祐也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / カーボンナノチュープ / 金属被膜 / 4端子電気伝導計測 / ナノ結晶 / エルビウムシリサイド / 凹凸構造 / コバルトシリサイド |
Research Abstract |
先鋭かつアスペクト比の高い形状をもつ導電性カーボンナノチューブ探針を用いた新しいナノ計測技術の開発を目的として、急峻な凹凸構造の精密プロファイリング手法、ナノ構造の原子スケール立体イメージング手法、およびナノスケール電気伝導計測手法を提案し、それぞれの有用性を検討した。 1,ナノスケール電気伝導計測手法 導電性カーボンナノチューブ探針を4端子電気伝導計測の測定プローブに応用して、コバルトシリサイドナノワイヤの電気伝導特性を測定した。その結果、探針間距離を最小30nmまで近づけて、4端子抵抗測定をおこなうことに成功した。また、導電性カーボンナノチューブ探針による測定は、試料の電気伝導特性に影響を及ぼすようなダメージを与えず、探針自体の形状も変わらないことがわかった。 2,急峻な凹凸構造の精密プロファイリング手法 カーボンナノチューブ探針を用いて急峻な凹凸構造を走査トンネル顕微鏡観察し、従来の金属探針を用いるよりも精密なプロファイルが得られることを実証した。凹凸構造の走査電子顕微鏡像と走査トンネル顕微鏡によるラインプロファイルの比較から、導電性カーボンナノチューブ探針の実効的な直径を見積もり、透過電子顕微鏡像から得られた探針の直径とほぼ一致することを示した。 3,ナノ構造の原子スケール立体イメージング法 導電性カーボンナノチューブ探針を用いて、エルビウムシリサイドナノ結晶の原子レベル立体イメージングをおこなった。その結果、ナノ結晶の四方を囲む側壁は(105)ファセット面、表面周期構造は1×1周期であることがわかった。走査トンネル分光測定の結果、ナノ結晶の頂上と側壁はいずれも金属的な表面状態密度を示したが、フェルミレベル直下に差をもつことがわかった。
|