2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00461
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山際 将具 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線形光学顕微法 / バイオフォトニクス / フェムト秒レーザー / 四光波混合 / 二光束干渉法 / 光検出 |
Research Abstract |
誘導パラメトリック蛍光ホログラフィは2つの四光波混合光(信号光と参照光)の干渉縞から3次元イメージングを行う手法である。前年度の信号検出感度の検討結果から、この手法は高出力レーザーを必要とし、生物試料のイメージングは困難であることがわかった。そこで、ホログラフィと同様に二光束干渉法を用いた高感度な四光波混合顕微法を提案した。本手法は干渉縞から増強された信号をフーリエフィルタリングで抽出する。そしてこの抽出処理をスキャン毎に行い、低ノイズの像を取得する。本手法は最も感度の高いショットノイズ限界近くまで感度を上げることができ、生物試料のイメージングも可能となる。以下に実験結果を述べる。 感度定と生物試イメージング:実験では広帯域フェムト秒レーザーを用い、そのスペクトルの一部をポンプ光、ダンプ光として用いた。両光をマッハツェンダー干渉計に入射し、干渉計の両アームに設置されたスライドガラスから信号光と参照光を発生させ、その干渉縞をCCDで検出した。そして抽出した増強信号と雑音の比(SNR)を求めた結果、ショットノイズ限界に迫る感度を達成していることがわかった(ショットノイズ限界から4-5dBだけSNRが低い)。また、生物試料としてタバコBY-2細胞をイメージングし、クリアな像を取得した。 非線形位相イメージング:本手法は干渉縞から物質固有の非線形感受率に依存する非線形位相を抽出することができ、細胞内の物質識別も可能である。そこで本手法を用いて非線形位相信メージングを行い、物質識別の可能性を検討した。実験では試料としてHE染色されたマウス腎細胞を用いた。結果、核で3次の非線形感受率に由来する非線形位相変化を検出した。さらに位相変化の原因となる物質を調べたところ、ヘマトキリンによることが判明した。この結果から非線形位相イメージングを行うことで細胞内の物質識別の可能性を見出した。
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Research Products
(3 results)