2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 寿夫 Osaka University, 太陽エネルギー化学研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光酸素化反応 / 高分子光増感剤 / 温度 / pH |
Research Abstract |
本研究では、光増感剤周辺の環境を高分子により制御した「高分子光増感剤」の開発を行っている。平成19年度は、光増感活性を外部因子(温度・pH)により制御できる高分子光増感剤を開発した。 1.ポリN-イソプロピルアクリルアミド(polyNIPAM)に三重項増感剤であるベンゾフェノン(BP)を共重合させた高分子光増感剤を開発し、ポリマー濃度およびポリマーを構成するNIPAM/BP比に対する、ポリマーの相転移挙動および光酸素化活性の変化を調べた。本ポリマーは、温度変化にともなうポリマーの構造変化を利用して、光酸素化反応の活性を温度により制御できる。特に、NIPAM/BP比が大きなポリマーを高濃度で用いた場合、低温域において著しい活性の増加が見られること、さらに高温域において著しい活性の減少が見られることを明らかにし、温度変化に対して極めて鋭敏な活性変化を示す光増感剤として機能することを明らかにした。 2.三重項増感剤であるBPを、NIPAMおよびジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAM)の共重合体に固定化した高分子光増感剤を開発した。本高分子は、温度およびpHにより光酸素化活性を制御することが可能である。この機能は、温度変化にともなうNIPAM部位の相変化と、DMAPAM部位のプロトン/脱プロトン化により発現されることを明らかにした。 これらの研究成果は、アメリカ化学会および日本化学会にて発表しており、いずれも学術論文として現在投稿中である。
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Research Products
(5 results)