2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工オパールを用いた三次元ナノ周期構造の作製と電気的及び光学的性質に関する研究
Project/Area Number |
07J00561
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾島 正禎 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 人工オパール / 炭素反転オパール / 電界電子放出 / コレステリック・ブルー相 |
Research Abstract |
本研究ではナノスケールの三次元周期構造を有する人工オパールを鋳型として用いてナノ構造材料を作製し、その電気的及び光学的特性などを評価した。また、新たに人工オパールと同様に自己組織的に三次元周期構造をとるコレステリック・ブルー相に着目し、その発現温度範囲を評価した。本年度の研究で得られた知見と業績をまとめると次のようになる。 人工オパールを鋳型として用いて作製した炭素反転オパールの焼成温度を制御することで、その結晶状態を制御することを試みた。その結果、焼成温度を1000℃から2760℃の範囲で制御することで、炭素反転オパールの結晶状態をアモルファスから多結晶、グラファイトと制御することが可能であることが分かった。また、結晶状態の異なる孔径550nmの炭素反転オパールについて電界電子放出特性を評価した。すると、結晶状態がグラファイトに近くなるにつれて、電界電子放出特性が向上することを見出した。しかし、孔径300nmの炭素反転オパールについて同様の実験を行ったところ、グラファイト化に伴い表面の周期構造が円形から六角形へ変化し、その構造変化が電界電子放出特性の向上を阻害することが分かった。 近年、人工オパールと同様に自己組織的に三次元周期構造をとる材料としてコレステリック・ブルー相が注目されている。コレステリック・ブルー相の発現温度範囲は数℃ととても小さいが、可視光波長程度の三次元周期構造を有しているため、フォトニック結晶や高速電気光学素子としての応用が期待されている。そこでコレステリック・ブルー相を三次元構造体中に閉じ込めることが発現温度範囲に与える影響を評価し、発現温度範囲が広がることを見出した。
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Research Products
(6 results)