2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工オパールを用いた三次元ナノ周期構造の作製と電気的及び光学的性質に関する研究
Project/Area Number |
07J00561
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾島 正禎 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コレステリック・ブルー相 / 三次元構造 / ピン留め効果 / メンブレン |
Research Abstract |
人工オパールと同様に自己組織的に三次元周期構造をとるコレステリック・ブルー相に着目し、その光学的性質を時間領域差分法により解析した。また、メンブレンの三次元構造がブルー相の発現温度に及ぼす影響について評価した。本年度の研究で得られた知見をまとめると次のようになる。 近年、自己組織的に三次元周期構造をとる材料としてコレステリック・ブルー相が注目されている。コレステリック・ブルー相の発現温度範囲は数℃ととても小さいが、可視光波長程度の三次元周期構造を有しているため、フォトニック結晶や高速電気光学素子としての応用が期待されている。しかしながら、その光学的性質についてはバンド構造や透過光特性に不明な点が多い。そこで、時間領域差分法を用いてそれらの光学的性質の解析を行った。これにより、2重ねじれシリンダーモデルを用いたブルー相のバンド構造を明らかにし、透過光特性の円偏光依存性を確認した。また、透過光特性において全反射波長域が存在することを見出した。一方、発現温度範囲が限られる問題に対して、これまで三次元ネットワーク構造を有するセルロース混合エステルメンブレン中にブルー相を示す液晶材料を浸透させることで、その発現温度範囲を拡大させる手法を提案してきた。本年度は、メンブレン表面の材料が発現温度範囲に与える影響について評価した。 これらの研究を通して、ブルー相の特異な光学特性を明らかに、デバイス応用に向けた発現温度範囲拡大手法の提案を行うことが出来た。
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Research Products
(4 results)