2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00569
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
栗原 広樹 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 金属内包フラーレン / 超分子 / スカンジウム(Sc) |
Research Abstract |
本研究では、金属内包フラーレンの特異な電子特性に起因した超分子系に注目して研究を行った。金属内包フラーレンは内包された原子(分子)とフラーレンケージとからなる特殊な超分子系である。申請者は、金属内包フラーレンの構造解析とケージの拡張による内包種の構造や挙動の制御や系全体の特性解明を行うことを目的として、本年度は以下2つの研究を行った。 1.Sc_2C_<82>の構造解析 他の金属内包フラーレンと比べて多種多様な内包種構造有するSc内包フラーレンは、その構造および電子状態について大変興味が持たれる。そこで、Sc_2C_<82>の構造を明らかにする目的で、アダマンタンジアジリンとの光反応を行った。得られたアダマンタン誘導体のX線結晶構造解析により構造決定に成功し、2つのSc原子と2つの炭素原子を内包したSc_2C_2@C_<80>であることを明らかにした。また、UV・CV測定等により、Sc_2C_2@C_<80>の電子的特性を明らかにした。 2.金属内包フラーレンのケージ拡張と特性解明 金属内包フラーレンは内包種とフラーレンケージからなる超分子系であり、フラーレンケージの構造を変化させることよる内包種の構造や動的挙動の変化について大変興味が持たれる。本研究では、Sc_3C_2@C_<80>とテトラジンとの熱反応により、フラーレンケージにC2インサートにし、ケージ骨格の拡張を行った。得られた誘導体について、ESR測定などを各種スペクトル測定より物性解明を行い、非常に興味深い結、果を得た。また、その構造については大変興味が持たれるため、引き続き研究を行う。
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Research Products
(7 results)