2007 Fiscal Year Annual Research Report
選択的リグニン分解菌が産生する新規バイオサーファクタントの構造・機能解析
Project/Area Number |
07J00588
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 裕志 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リグニン / 木材腐朽菌 / バイオサーファクタシト / バイオマス / セリポリック酸 |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者の見いだした新規バイオサーファクタントの構造解析に取り組んだ.まず,木材腐朽菌Ceriporiopsis subvermisporaを液体培養し菌体を濾別後,得られた菌体外画分を分画し,粗画分を得た.この画分から,活性画分をフラッシュクロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィーによって精製した.分析の結果バイオサーファクタントは分子量分布を持つことが判明した.そこでこれら各成分をそれぞれ単一ピークとして検出するクロマトグラフィーの開発を行い完全精製に成功した. 得られた代謝物をLC/ESI-MS,NMR分析に供し構造解析を行い,その構造をほぼ明らかにした.また,表面張力測定の結果,臨界ミセル濃度0.04%において水の表面張力を29mN/mまで低下させ,代表的な界面活性剤を凌駕する優れた界面活性剤としての機能を有することを明らかにした.このように新規バイオサーファクタントの構造をほぼ明らかにし,その界面活性剤としての有用性を確認した.次に本菌が分泌するトランスアルケニル側鎖を有した新規ジカルボン酸代謝物ceripric acid Dの単離を行い,GCMS,NMR,誘導体分析,有機合成物との比較同定により構造決定を行った.さらに,安定同位体の取り込み実験から新規代謝物ceriporic acid D が De novoに生合成されることを明らかにした. 以上の成果は,国内学会での口頭発表5件,国際学会(米国)での発表2件により報告した.また,論文を国際誌に投稿中であり、近日中に受理される見通しである.
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