2007 Fiscal Year Annual Research Report
核の量子効果を含む実時間動力学理論の開発と化学反応への応用
Project/Area Number |
07J00597
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮地 秀明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PC1)
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Keywords | 分子動力学法 / 理論化学 / 計算化学 / 量子化学 / 計算物理 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成19年度の研究実施計画は、「半古典・量子動力学理論の3次元座標系への適用解法の開発」であった。年次計画に沿って着実に研究を進めている。 平成18年度より共同研究者とともに半古典・量子動力学理論の一つであるQuantized Hamilton Dynamicsを発展させてQuantal Cumulant Dynamics理論(以下QCD)の構築を行ってきた。このQCDを3次元の系に適用する際、2体ポテンシャルであれば6次元、一般のポテンシャルでは3N次元の数値積分が必要となることが実用上大きな問題であった。本年度の研究で、適切な導出を行うことで2体ポテンシャルであれば露わに6次元の数値積分を行うことなく、1次元の数値積分を行えばよいことが分かった。これはQCDを実在の分子系に適用することが可能になることを示しており、当初の期待を超えた大きな進歩であるといえる。現在までに、粒子間の相互作用をMorseポテンシャルで表したMorseクラスターで、古典動力学と半古典動力学によるシミュレーション結果の違いに着目した応用計算を行っている。 汎用の分子動力学プログラムとの連携については技術的な困難があり、平成19年度中に達成することはできなかった。現在、それら汎用の分子動力学プログラムで用いられているポテンシャルのパラメーターを自家製のプログラムに組み込む作業を行っており、平成20年度の早い段階で応用計算を実行できるようにする予定である。
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Research Products
(5 results)