2007 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザー励起インドシアニングリーンによる新規な光線力学的治療に関する研究
Project/Area Number |
07J00607
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩本 由美子 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超短パルスレーザー / インドシアニングリーン / PDT / VEGF |
Research Abstract |
本研究は、超短パルスレーザー励起インドシアニングリーンにより新規なPDTを施行し、その効果を実証することが目的である。一般にPDTは、レーザーと光感受性物質の相互作用により発生する活性酸素を利用した治療方法である。一般に用いられるレーザーは、連続発振レーザーや、パルスのレーザーである。本研究では、超短パルスレーザーを励起光源として用いるため、治療効果の実証ともに、そのメカニズムについても解明したいと考えている。対象には、脈絡膜新生血管内皮細胞を用いる。まずはじめに、超短パルスレーザーと連続発振レーザーを用いて、インドシアニングリーン溶液を取り込ませた脈絡膜血管内皮細胞にレーザー照射を行い、細胞生存率について検討した。その結果、両者ともに照射パワー密度180mW/cm^2で、細胞生存率は減少した。次に活性酸素検出用蛍光試薬を用いて、レーザー照射後の活性酸素発生量について検討した。その結果、インドシアニングリーン濃度が増加するにつれて、活性酸素発生量も増加した。最後に、レーザー照射後のVEGF発現量について検討した。その結果、照射条件が180mW/cm^2 atで、インドシアニングリーン濃度が30、50μMの場合において、連続発振レーザーのほうが超短パルスレーザー照射に比べ発現量が高いということがわかった。VEGFは照射後の新生血管再発を誘発する恐れがあるため、超短パルスレーザー励起インドシアニングリーンによるPDTは、既存のPDT(連続発振レーザーを用いたPDT)より有効的な治療方法になると考えられる。
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Research Products
(1 results)