2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竜野 秀行 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エキゾチックアトム / K中間子原子 / K中間子原子核 |
Research Abstract |
1.KEK-PS E570実験の結果に関して レター論文をPhysics Letters Bに投稿し受理された。この論文は、K中間子とヘリウム原子核の相互作用を、高精度のX線測定によって明らかにしたもので、20年来の実験と理論の不一致というパズルを解決した。この結果はまた、J-PARCE17実験で測定するヘリウム3原子X線に関して、強い相互作用によるシフトが大きいという可能性を残し、次なる実験へのモチベーションを高めた。現在自分を第一筆者としたフルペーパーを執筆中。 2.プリアンプのテスト J-PARC E17実験で使用するプリアンプは、ノイズと発振を抑えるために、液体ヘリウム3標的用の冷凍機の中に設置しなければならない。すると、プリアンプは液体窒素による低温のシールドに触れることになり、その状況下での駆動を実現させなければならない。そのテストを夏にKEKにて行なった。その結果、目的の精度と安定性を実現させるには液体窒素温度との熱的隔離が必須であることがわかり、冷凍機中でプリアンプに対して温度差100度以上を実現することが課題となった。 3.イタリアでのK中間子水素原子X線測定実験 予定通り、10月からイタリアでのK中間子原子X線の測定実験に参加した。エレクトロニクス周りのリソースとそのテスト、シミュレーションによる戦略評価等を行なった。2月から加速器DAFNEからビームが出だし、K中間子を同定するための検出器をインストールし、本格的な実験をスタートした。現在はK中間子窒素のX線を測定し解析している。
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Research Products
(3 results)