2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J00613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竜野 秀行 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エキゾチック原子 / K中間子原子 / K中間子原子核 |
Research Abstract |
1,K中間子水素原子X線の精密測定実験 イタリアはフラスカティ研究所にある電子陽電子衝突型加速器を用いて、K中間子ヘリウム4原子、K中間子ヘリウム3原子、およびK中間子水素原子X線の精密測定実験を行った。このうちK中間子水素原子は、負の電荷をもったK中間子と陽子からなる、最も単純なK中間子原子の系であり、その1s準位の強い相互作用によるシフトと幅を求めることで、ストレンジネスを含むK中間子と核子との強い相互作用の基礎的な情報である散乱長を求めることができる。この情報は、K中間子と陽子の準束縛状態と考えられているラムダ1405やK中間子原子核といった、未知なる構造をもった状態の解明に不可欠で、現在も精度のよい測定が求められている。これらのうち、K中間子ヘリウム4原子については結果をまとめ、論文として発表した。K中間子ヘリウム3とK中間子水素については、現在データ解析を進めている。 2,J-PARC E17実験 K中間子ヘリウム3原子の精密X線分光をめざしてJ-PARCにおいてE17実験の準備を進めた。K中間子ビームの質や強度を最適化する作業を行うとともにヘリウム3標的とX線検出器の開発を終えた。J-PARC加速器のビーム強度が上がるのを待って、データ収集ができる見通しである。
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Research Products
(2 results)