2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁場誘起変態を利用した新型Ni基メタ磁性形状記憶合金の開発
Project/Area Number |
07J00634
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊東 航 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 強磁性形状記憶合金 / メタ磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / ホイスラー合金 / 規則-不規則変態 / 磁気変態 / 変態エントロピー |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、NiMnX基(X=In, Sn etc…)合金のマルテンサイト変態温度、組織、結晶構造および磁気特性を系統的に調査し、メタ磁性形状記憶合金としての最適組成を模索することである。 本年度(平成19年度)は、特にNiMnInおよびMiMnSn基合金に注目し、50 at.% Ni一定断面のマルテンサイト変態温度、母相およびマルテンサイト相の磁気変態温度、規則不規則変態温度、マルテンサイト相の結晶構造について、InおよびSn濃度依存性を調査し、詳細な相図を作製した。優れたメタ磁性形状記憶効果の発現には、母相の相安定性やマルテンサイト相の結晶構造が深く関わっており、これまで報告のなかったNiMnInおよびNiMnSn基合金の基礎物性を調査した意義は大きい。NiMnSn基合金の結果については、2008年3月の日本金属学会春季大会にて発表を行った。また、NiMnln基合金の結果についても近々発表予定である。 一方、すでにメタ磁性形状記憶効果を発現しているNiCoMnIn合金について、その発現機構を明らかにするため、低温・強磁場中での磁化および電気抵抗測定、X線回折実験を行った。その結果、約150K以下でマルテンサイト変態が途中で中断するという、変態エントロピー変化の異常を確認した。この成果は、2008年にAppl. Phys. Lett.に掲載された。また、同様の現象をNiMnInおよびNiCoMnSn合金でも確認した。
|