2007 Fiscal Year Annual Research Report
音声による感情表出に関する韻律的特徴の分析と韻律制御モデルの構築
Project/Area Number |
07J00642
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
河津 宏美 Tokyo University of Technology, バイオ・情報メディア研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 音声合成 / 感情の程度 / 韻律的特徴 / 韻律制御モデル |
Research Abstract |
音声により伝達される感情がいかなる物理的特徴量として表出するかを明らかにすることを目的として研究を行なった。具体的には、音声の特徴のうち特に韻律的特徴が感情を表現する主要な特徴であると捉え、音声の基本周波数パターン・発話速度変化パターン・音源強度変化パターンという韻律の3要素を統一的に扱うモデルを構築し、この音声の韻律面でのモデルにより、感情を込めた表現をどのように生成するかについての知見を得ることを目標とした。 1.韻律モデル構築のための音声資料の収集 韻律モデル構築のための音声資料として、喜び-悲しみ、怒り-恐れの2次元4種類の感情を込めた典型的な音声を収集した。典型的な感情表現を収集することにより、それぞれの感情を表現するための手がかりとなる韻律的特徴を捉えることができ、ここで得られた知識は、音声合成の際に直接役立つものと考えている。典型的な感情音声を収集するため、ラジオ劇の経験者を、延べ8名集め、それぞれに数段階の感情表現を発声させることとした。同一の言語的内容に関して、異なる程度の感情を込めた発声を話者に行なわせたのは、分節的特徴としては、ほぼ同一の音声を、表現する感情に対して主に韻律により制御したものを得るためである。 2.モデルに基づく韻律分析ツールの整備 実際の韻律分析に耐えうるツールとして構築するとともに、感情表現の韻律分析に適用するためのモデルの改良を行なった。 3.韻律的特徴の分析とモデル化 4種類の感情を表現した音声それぞれについて、基本周波数パターン・発話速度変化パターン・音源強度変化パターンの韻律3要素に関して、上記2.で開発したツールを用いて分析を行なった。ツールに関しては、分析を通して未熟な箇所が発見されることが予想されたが、まずはプロトタイプ的なものを作成して、分析を先行させた。ここで得られた問題点を次年度に向けて整理する。
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Research Products
(5 results)