2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチボディダイナミクスによる人と連携するパーソナルモビリティの制御に関する研究
Project/Area Number |
07J00669
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 智皓 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パーソナルモビリティ / 運動解析 / 制御系設計 / 自転車 / 倒立振子 / マルチボディダイナミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は,環境にも人にも優しい動力で、中・近距離を移動する個人の新しい乗り物(パーソナルモビリティ・ビークル、PMV)を開発することである。PMVのコンプトとして、自転車モード・平行二輪車モードの二つの形態を持ち合わせ、お互いのモードに変換可能で,状況に応じて使い分けることができる乗り物を提案している。自転車モードでは、人の力と電気の力を効率よく組み合おせて走行できるよう、ポダルをこぐことにより発電機で電力を発生させ、バッテリーに電力を蓄電する。発生した電力により、独立の前後車輪のモータを駆動させ、ドライブバイワイヤを実現する。また、ステアバイワイアにより、前後輪の操舵角を制御する。平行二輪車モードでは,操縦者はステップに立ち,倒立振子の安定化原理を用いた制御方式、すなわち重心移動により制御する。 自転車モードに関しては、小径自転車の運動解析と走行実験について得られた知見をまとめ、発表した。コンパクトな乗り物という観点より、タイヤ径の小さい自転車に関しての検討は重要であると言える。また、前後輪が操舵かつ駆動する2WS/2WD自転車について、歩行空間のような低速域でも安定に走行可能な制御系設計を提案した。 平行二輪車モードに関しては、路面凹凸のある走行路における車両の安定性解析と実験を行った。倒立振子型の乗り物の安定性解析、実験の多くは、理想的な平面状での運動を仮定している。しかし、実用的な環境における使用では、路面は必ずしも平面とはいえないので、路面凹凸によってタイヤが受ける外乱を考慮することは重要であるといえる。解析、実験結果より、係数励振振動によって、車両が不安定となる可能性があることを示し、不安定領域を回避する手法を示した。 さらに、両モードが歩行者に与える影響を検討するため、車両が歩行流に進入する歩行者混在走行実験を行い、車両安全性や人との親和性を評価した。
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