2008 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液中における鉄イオンの酸化還元で形成させたナノ粒子の解析と制御
Project/Area Number |
07J00682
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井之上 勝哉 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オキシ水酸化物 / クロム / 耐候性鋼 |
Research Abstract |
耐候性鋼には、MnやNi、Cuなどの添加元素を含む低合金鋼である。しかし、耐候性の発生メカニズムにおけるこれら添加元素の役割は、不明な点が多く残されている。本年度は、耐候性鋼において添加すると耐候性が向上すると考えられているCrに着目し、中間生成物Green Rust2(GR2)からのFe^<3+>合物への反応素過程に及ぼすCr(3価および6価)の影響の評価を行った。 研究結果より、GR2の酸化過程において、液相環境が変化しCr_2(SO_4)_3の添加によりGR2の酸化は抑制され、一方、Na_2CrO_4の添加によりGR2の酸化は促進されることが明らかになった。さらに、大型放射光施設SPring-8でのX線吸収分光法による評価により、GR2懸濁液にCr^<6+>を添加すると、液相環境がCr^<3+>の安定な環境であることを反映し、Cr^<6+>のCr^<3+>への還元反応およびGR2のα-FeOOHへの酸化反応が起こり、GR2中でクロムはCr^<3+>で存在することが明らかになった。一方、Cr_2(SO_4)_3の添加によりα-FeOOHの生成が促進されることがわかった。また、GR2へのCr_2(SO_4)_3およびNa_2CrO_4の添加によって、形成するα-FeOOH粒子の形態は微細化し、Cr_2(SO_4)_3の方がより微細化の効果が大きいとこを明らかにした。
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Research Products
(14 results)