2007 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液中における鉄イオンの酸化還元で形成させたナノ粒子の解析と制御
Project/Area Number |
07J00682
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井之上 勝哉 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オキシ水酸化物 / ニッケル / 銅 / 耐候性鋼 |
Research Abstract |
耐候性鋼には、MnやNi、Cuなどの添加元素を含む低合金鋼である。しかし、耐候性の発生メカニズムにおけるこれら添加元素の役割は、不明な点が多く残されている。そこで、本年度は添加元素であるAl、Si、P系中心にFe/Fe^<2+>/Fe^<3+>変換(主にα-FeOOHやγ-FeOOH)の鉄酸化物粒子形成過程の不均一成長過程の解析、及び中間性生物(Fe^<2+>/Fe^<3+>)からのFe^<3+>化合物への反応素過程に及ぼすMn、Ni、Cuの影響の評価を行った。 研究結果より、Al、Si、Pのそれぞれの異種元素との合金より形成される鉄酸化物粒子(γ-FeOOH)は、粒子の形態および結晶性に変化があることが確認できた。特に、Al添加の合金より形成した鉄酸化物粒子は粒子の粗大化が観られるなど、各異種元素において特有の影響を有することが明らかとなった。これらの影響は、水溶液中でこられの元素のオキソアニオンの形成およびその吸着性、さらにFeO_6のFeサイトへの置換性などが関係していることが示唆された。また、Green Rustからの変換過程においても、MnはFeと同じ遷移金属であるがFeよりも卑な元素である。一方、NiやCuはFeよりも貴な元素であり、それぞれの元素の価数変化や凝集過程がFeの酸化過程に対し異なる影響を及ぼすことが予測された。本年度の実験により、MnおよびNiのそれぞれにおいて特定の鉄酸化物粒子の形成を促進することが明らかとなり、粒子の形態へも影響を及ぼしていること明らかとなった。一方、Green RustにCu^<2+>を添加すると、Feより貴な元素であることを反映し、Cu^<2+>からCuへの還元反応およびFe^<2+>からFe^<3+>への酸化が起こっていることを大型放射光設備およびLab実験装置を用いたXAFS法等による系統的解析により明らかとした。
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Research Products
(18 results)