2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異点をもつ3次元双曲多様体の変形理論に関する研究
Project/Area Number |
07J00707
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大木 俊輔 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | hyperbolic cone-manifold / 剛性 / boundary rigidity / crossratio / CAT(-1)空間 |
Research Abstract |
研究内容は主に、負曲率cone-manifoldのboundary rigidityについてである。前年度に、強凸境界をもつコンパクトで単連結な2次元負曲率cone-manifoldに対するboundary rigidityの成立、すなわち境界上で距離を保つ同相写像が存在すればそれらは等長的であるという結果を得た。この結果に関して、現在引き統き纏めているところである。この結果は、Otalによる特異点のない場合の結果をcone状の特異点をもつ場合へと拡張したものである。その証明は、境界上で距離を保つ同相写像から自然に定まる極大測地線分の空間の間の同相写像が特異性とLebesgue測度を保つことなどを用いて、極大測地線分の交点から等長写像を構成することによっており、基本的な方針はOtalのものと同様である。Otalの証明をcone-manifoldの場合に拡張する際には、boundary rigidityとmarked length spectrum rigidityの間には類似性に着目し、HersonskyとPaulinによる2次元コンパクト負曲率cone-manifoldに対するmarked length spectrum rigidityの証明のアイデアを用いている。本年度はこの他、Labourieによる曲面群の極大表現に関する結果や、Cheegerによる測度距離空間上のLipschitz関数の微分可能性に関する結果などについての勉強を行った。
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