2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒基準エッチング法によるシリコンカーバイド基板の高精度・高能率平坦化
Project/Area Number |
07J00721
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 英之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Silicon Carbide / Etching / First-principles molecular dynamics / atomic force microscopy / polishing / step bunching |
Research Abstract |
パワーエレクトロニクスにおいて,Siの物性限界を凌ぐ物性値を持つSiCによる低損失デバイスの開発が、国内外で活発に進められている。我々は、触媒基準エッチング法(CAtalyst-Referred Etching: CARE)という加工法を提案し、4H-SiC(000l)表面をダメージレスかつ非常に平坦にすることに成功した.本研究は,CAREによるSiCの加工速度を向上するため,加工表面の分析を実験及び理論から系統的に明らかにし,触媒基準エッチング法の原理を解明することを目的としている. 当該年度では、STM,AFM及びXPSを用いた評価と、第一原理分子動力学シミュレーションを行うことで、CARE加工後の4H-SiC(0001)表面の構造を明らかにした. AFMを用いた評価から,4H-SiC結晶中のSi-Cの1バイレイヤー(BL)の高さに相当する0.25nmのステップ高さをもったステップーテラス構造が形成していることが明らかになった.また、表面に観察されるステップは,幅の広いテラスと狭いテラスが交互に形成していることが明らかとなり,これは4H-SiC(0001)表面に1BL毎に露出するヘキサゴナル面とキュービック面のエッチレートの差と考察した.STM及びXPSにより,4H-SiC(0001)表面は1×1構造をとっており、その表面は水素終端でなく、フッ素終端及びOH終端していることを明らかにした. この実験結果を踏まえて,第一原理分子動力学シミュレーションにより4H-SiC(0001)表面において,終端と結晶面による表面エネルギーの違いを求め,4H-SiC(0001)表面におけるステップ構造生成機構の考察を行った.F終端,OH終端の場合,ヘキサゴナル面とキュービック面で表面エネルギーが振動し,キュービック表面が安定であるという結果になり,実験結果とよく一致することが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)