2008 Fiscal Year Annual Research Report
触媒基準エッチング法によるシリコンカーバイド基板の高精度・高能率平坦化
Project/Area Number |
07J00721
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 英之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シリコンカーバイド / エッチング / 第一原理計算 / 原子間力顕微鏡 / 研磨 / ステップバンチング |
Research Abstract |
パワーエレクトロニクスにおいて,Siの物性限界を凌ぐ物性値を持つSiCによる低損失デバイスの開発が、国内外で活発に進められている。我々は、触媒基準エッチング法(CAtalyst-Referred Etching:CARE)という加工法を提案し、4H-SiC(0001)表面をダメージレスかつ非常に平坦にすることに成功した.本研究は,CARE加工後表面の分析を実験及び理論から系統的に明らかにし,触媒基準エッチング法の原理を解明することを目的とした. 昨年度の成果より,CAREによる加工後表面は,Si-Cの1バイレイヤー(BL)のステップ高さをもったステップーテラス構造で,テラスの表面構造はF終端とOH終端の混在した4H-SiC(0001)1×1表面であり,広いテラスと狭いテラスが1BL毎に交互に形成していることが明らかとなった.また,広いテラスはキュービック面で,狭いテラスはヘキサゴナル面であることが明らかとなった. 当該年度では,キュービック表面が安定になる理由を調査するため,原子間の静電エネルギーや原子軌道のハイブリダイゼーションの効果を調査した.静電エネルギーによって,F及びOH終端した表面はキュービック面が不安定化することが明らかとなったため,静電エネルギー以外の効果が表面安定性に寄与していることを示した.さらに,電子の波動関数の混成によるエネルギーの観点から,F及びOH終端において,終端種と最表面Siの電子の波動関数の混成によって,キュービック面が安定化していることが明らかとなった.この電子の波動関数の混成と静電エネルギーの効果の合計により,それぞれの終端の表面安定性が決定していることを明らかにした. 以上の成果から,CAREはヘキサゴナル面が高エッチレート,キュービック面は低エッチレートであるステップフロー型のエッチングであると結論付けた.
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Research Products
(4 results)