2008 Fiscal Year Annual Research Report
日露交流史の研究-太田覚眠をめぐる宗教と国家の相克
Project/Area Number |
07J00729
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
松本 郁子 International Research Center for Japanese Studies, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日露交流史 / 日本思想史 / 日本近代仏教史 / 日本近現代史 / ロシア / ウラジオストク / 浦潮本願寺 / 太田覚眠 |
Research Abstract |
本研究は、ロシア極東ウラジオストクの浦潮本願寺(浄土真宗本願寺派)で1903年(明治36)から1931年(昭和6)までの約30年間布教活動に従事した僧侶、太田覚眠(1866年三重県四日市市法泉寺生〜1944年内蒙古集寧寺没)の思想と行動を明らかにする作業を通じて、日露間の宗教と国家の対立と相克の問題を明らかにすることを目的としている。平成20年度の研究実績は次の通りである。(1)『万朝報』を通覧調査し、太田覚眠の業績をめぐる記述を摘出した。(2)東京大学総合図書館及び山口大学総合図書館蔵の独文雑誌『東亜』(原題"Ost-Asien")を通覧調査し、日露戦争時の太田覚眠及びシベリア残留邦人の足跡をめぐる記述を摘出した。(3)日露戦争時、太田覚眠とともにシベリアから帰国した日本人の帰国後の動向を実地調査した。(4)太田覚眠関連史料の保存のために、史料の電子データ化を行った。(5)「極東ロシアにおける東アジア系移民」を執筆し、蘭信三編『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』(不二出版、2008年6月25日、503-509頁)に掲載された。(6)太田覚眠と交流のあった小説家中村星湖の史料を研究し、「『死人か馬鹿か』-中村星湖と太田覚眠の交流をめぐって-」を執筆した。これは山梨県立文学館編『資料と研究』第14輯(2009年3月31日、110-114頁)に掲載された。
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Research Products
(2 results)