2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性アート錯体による芳香環化学の新反応・新現象・新機構
Project/Area Number |
07J00740
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
臼井 伸也 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Directed ortho metalation(DoM) / Directed ortho cupration(DoC) / Lipshutz試薬 / 遷移金属アート塩基 / ligand-coupling反応 / 酸化反応 |
Research Abstract |
a.Directed ortho cupration(DoC)試薬の開発 Gilman試薬、Lipshutz試薬をもとに、遷移金属であるCuを中心金属とする新しいアート塩基を設計合成し、芳香環C-H結合を直接C-Cu結合に変換する方法(Directed ortho cupration;DoC)を開発することに成功した。 b.芳香族Cu-ate錯体の基質多様性・反応性 数ある錯体の中から、合成容易なMeCu(TMP)(CN)Li_2に関して基質多様性を調べたところ、CN基、OMe基、アミド基を有する基質、ハロゲン原子を有する基質、さらにbenzothiazole,benzofuran等ヘテロ環に関しても、高収率にてDoC反応が進行することが明らかとなった。また合成した芳香族銅アート錯体中間体の各種求電子剤との反応性を調べたところ、D化、Si化が効率良く進行することに加え、典型金属アート塩基において、PdやCu等が必要であったbenzoyl化、Me化、allyl化に関しても、触媒添加を必要とすることなく反応が進行することが明らかとなった。 c.銅特有の酸化反応 遷移金属である銅は容易に酸化し、3価の状態を取り得ることが明らかとなっている。銅アート塩基、酸化条件を選択することによりligand-coupling反応が進行し、cross-coupling体ならびにhomo-coupling体を作り分けることに成功した。 d.錯体構造 錯体構造に関する探索を進めたところ、X線結晶構造解析ならびに、計算化学により(TMP)_2Cu(CN)Li_2の構造は予想通りhetero-aggregate構造を有するLipshutz型であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)