2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化螺旋周期液晶のナノ構造変調による光機能性デバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
07J00742
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 浩之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コレステリック液晶 / フォトニック結晶 / 光重合 / 配向 |
Research Abstract |
自己組織的に螺旋周期構造を形成するコレステリック液晶は液晶分子の異方性と螺旋ピッチに依存し、媒質と同じ巻きの円偏光を選択的に反射する波長領域をもつ。このことからコレステリック液晶は一次元フォトニック結晶とみなされるが、自己組織的に発現し、かつ液晶特有の外場応答性を示すことから、様々な応用が可能であると考えられる。本年度は特に光重合性液晶を用い、局所的に重合をおこすことで発現する物理現象を利用し、光機能素子への応用を検討した。 コレステリック液晶の螺旋周期中に、局所的に構造を乱すような欠陥を導入すれば、本来光伝播が禁制である選択反射バンド中に欠陥モードが発現する。この性質の利用を目指し、光重合性のコレステリック液晶中に2光子励起過程を利用した光描画により螺旋を局所的に重合し重合領域-未重合領域-重合領域という構成のコレステリック液晶素子を作製した。この構成のもとでは、重合領域と未重合領域の螺旋ピッチのコントラストに依存した選択反射バンドが発現することが知られており、温度および光照射により未重合領域の螺旋ピッチを変化させることで、波長可変な狭帯域バンドパスフィルターを実現した。また、選択反射バンド中の欠陥には空間的に光が閉じ込められることから共振器として機能することが知られており、このことを利用し、コレステリック液晶からのレーザー発振の低閾値化を実現した。また実験のみでなく、欠陥部分の螺旋ピッチ、および失陥層厚など、どのようなパラメータが欠陥モード波長に影響するのかについて、数値的に解析した。 コレステリック液晶を用いた光素子の研究を進める一方、2光子励起光描画により形成した構造上における液晶の配向制御についても研究を行った。特に、微細なグレーティング構造を形成することで溝方向に液晶分子が配向することおよびその規制力(アンカリング力)が溝の間隔が狭いほど強いことを見出した。
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Research Products
(11 results)