2008 Fiscal Year Annual Research Report
力学場の発展と連成した複合微視組織形成予測と力学特性評価による鉄鋼材料の高機能化
Project/Area Number |
07J00748
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山中 晃徳 Kobe University, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 鉄鋼材料 / Phase-Field法 / 組織形成シミュレーション / 均質化法 / 力学特性評価 / 材質予測 |
Research Abstract |
本研究では,鉄鋼材料の高機能化・新規材料の開発のために有効な数値シミュレーションによる材質予測手法の開発を目指し,Phase-Field法を用いた組織形成予測および均質化法による力学特性の評価を系統的に実施可能とすることを目的としている.昨年度までに,鉄鋼材料の基本構成組織の形成過程を再現可能なPhase-Fieldモデルを構築した.本年度は,鉄鋼材料の熱処理過程で形成される組織のうち,パーライト変態およびマルテンサイト変態による組織形成過程のPhase-Fieldシミュレーションの高精度化を行った.特に,昨年度構築したマルテンサイト変態の弾塑性Phase-Fieldモデルを用いて,多結晶オーステナイト相におけるマルテンサイト組織形成過程の数値シミュレーションを行い,マルテンサイト変態によって生じる変態ひずみの自己緩和ならびに塑性緩和過程がマルテンサイト組織の微細化に及ぼす影響を明らかにすることができた.また,パーライト変態のPhase-Fieldモデルにおいては,セメンタイト内の炭素濃度の計算を高効率化することで,より現実に近いスケールでのパーライトラメラーの成長挙動を再現可能とし,粒界拡散がパーライト組織の成長速度に及ぼす影響を明らかにした.さらに,Multi-Phase-Field法を用いて連続冷却フェライト変態の数値シミュレーションを実施し,予測したフェライト相の組織形態より,Dual-Phase鋼の組織形態および力学特性を評価可能とする材質予測シミュレーション手順を構築できた.以上のように本年度に構築した組織形成シミュレーションおよび力学特性評価手法を今後さらに拡張することで,要求される機械的特性を発現するための材料制御方法が決定できる.これにより鉄鋼材料の高機能化に貢献できるものと期待される.
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Research Products
(18 results)