2007 Fiscal Year Annual Research Report
精密地上観測と衛星観測から明らかにする大気波動による超高層大気へのインパクト
Project/Area Number |
07J00792
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江尻 省 Kyoto University, 生存圏研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大気重力波 / 中間圏界面 / 大気圏-電離圏結合 / エネルギー輸送 / Na温度ライダー / 全天大気光イメージャー / MUレーダー / クリティカルレベル |
Research Abstract |
最近の超高層大気研究で、電離圏電子密度擾乱を下層起源の大気重力波(Atmospheric Gravity Wave: AGW)が励起している可能性か指摘され、両者の時空間スケール等の具体的な対応関係が注目されている。しかし、中間圏界面付近の風速や温度等の立体的な測定が極めて困難であるため、下層起源のAGWの超高層大気中への浸入機構と電離大気へのインパクトの詳細は未だ不明瞭である。この解明のために本研究では、まず、AGWの中間圏界面付近での鉛直伝搬(特にクリティカルレベルでの振舞い)を過去のデータの中に見られたケースについて詳細に調べ、その結果を国内・国際研究集会にて発表し、現在、学術論文として投稿準備中である。また、多点・多波長大気光イメージング観測、Naライダーによる温度観測をMUレーダーの最新観測モードによる風速の立体観測および人工衛星(SABER)からの大気光観測の同時観測のために、中間圏大気光イメージング観測のためのイメージャーの整備とテスト観測を行い、観測体制を整えた。Na温度ライダーについては、稼動時間やデータの質が極めて限定されていたものを調整、改良し、これによる中間圏温度の準定常観測を軌道に乗せた。観測の初期結果については、国内シンポジウムにて報告し、国際学会の査読付収録に投稿した。観測データは随時解析・可視化して整理し、データベース化を図っている。ユタ州立大学との協力研究としては、19年度は主にAGWのクリティカルレベルでの振舞いについての議論に力を入れたため、中間圏大気光の高度決定法の改良と検証は十分に出来なかったが、これのために、既存の解析手法による解析結果の確認作業を行っており、20年度以降に検証を行う予定である。
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Research Products
(10 results)