2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線観察を用いた加熱炉による実験及び数値計算によるコンドリュール形成過程の解明
Project/Area Number |
07J00855
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上椙 真之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 隕石 / コンドリュール / 再現実験 / 高温加熱炉 / 雰囲気制御 / 透過X線観察 / 数値計算 |
Research Abstract |
本年は昨年度で得られた結果を基に、期待している温度を達成できる炉心を備えたX線装置に搭載できる加熱炉プロトタイプを作成し、この装置をX線CT装置上で固定し、透過像撮影を行った。しかし、この炉心はアルミナ+白金線の炉心だが、高温を実現するため溝を掘ったアルミナ炉心管が大きくなったためにX線の透過が著しく低かった。また、小さい領域に熱源を集中させるため、白金線の巻き数を多くしたが、これにより白金線間の隙間が非常に狭く、1mm程度の試料とはいえその全体像を一度に撮像することが出来なかった。 しかし、炉心自体は還元雰囲気を使用することで非常に高温を再現することが出来、1500度近い温度を安定して出すことが出来た。酸化雰囲気下では白金線の消耗が激しく、また、アルミナと接触している部位が非常に弱くなり、昇温時に断線することが多かった。白金線はコストが高く、この電熱線を消耗品とするのは厳しく、酸化雰囲気下で高温を実現するためにはさらなる工夫であることがわかった。 今回はまだ加熱しながらの撮像をしてはいない。X線CT装置に設置できるようにするため、加熱炉自体を非常に小型化したため、加熱時に、炉の外壁が輻射により500度近くなる。これがX線管球やCCDカメラに被害を与えないようにするめ、冷却水を流して100度以下に抑える必要がある。また、炉の壁面を熱伝導率の高い銅板などにして、熱の拡散が効率よく起こるように設計し直す必要がある。 X線の透過は薄い壁面、簡素な炉心が必要であり、高温を実現するためには熱耐性があり、電熱線密度の高い炉心が必要になる。これらを両立した装置を実現するためには炉心周辺を改良する必要があり、具体的には炉心にX線の光路を確保する必要がある。これは温度不均質をもたらし、電熱線の強度を下げたり熱効率をさげる可能性があるが、1500度付近であれば、実現は可能であると考えられる。 また、結果を利用して行う予定の数値計算については3次元コードを別のモデルに適用してテストを行っている。非常に計算時間がかかり、またまだ解析解とズレがあるなど、チューニングが必要な状態である。
|
Research Products
(6 results)